相談ダイヤル(無料)を気軽にご利用ください





高経年マンションが急増し、建物の老朽化や管理組合の担い手不足が懸念されています。そんな中、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)が改正され、今年4月から、マンション管理適正化推進計画を作成した自治体が、適切に管理されたマンションを認定できる制度が始まりました。

これにより、認定を受けたマンションが市場で評価されるなど、管理の適正化が推進されることが期待されます。また、改正されたマンション管理適正化法では、自治体の権限が強化され、自治体は指導、助言、勧告などの必要な措置を、法的根拠をもって能動的に実施できるようになりました。「マンション管理は新しい時代に入った」という声も聞かれます。

一般社団法人日本マンション管理士会連合会(日管連)は、これらの取り組みを後押しするため、マンション管理計画認定制度の相談ダイヤルを4月18日から開設しています。この事業は、国土交通省の「マンション管理適正化・再生推進事業」を活用して実施しています。

どなたでも、何回でもご利用いただけます

相談ダイヤルでは、マンション管理計画認定制度をはじめ、改正マンション管理適正化法に関する幅広い質問・相談について、マンション管理の専門的知識を有するマンション管理士が回答します。相談は無料で、何回でも、どなたでもご利用いただけますが、1回あたりの相談時間は30分程度までとさせていただいています。

相談は東京の日管連事務局で受け付け、原則として、相談者の地元マンション管理士会の所属マンション管理士から相談者に折り返し電話をかける方式で実施しています。ただし、短時間で回答できる内容であり、相談者がその場での対応を希望する場合は日管連事務局が対応しています。

3つの研修を修了したマンション管理士240名が対応

相談への対応は、全国44会員会の所属マンション管理士約1,700名のうち、①マンション管理センターが実施する管理計画認定制度の事前確認講習②日管連の認定マンション管理士研修③電話相談対応講習――の3つの講習・研修を修了し、万一のためマンション管理士賠償責任保険にも加入している約240名が担当しています。

今後、各講習・研修の修了者が追加されますので、対応できる会員会、マンション管理士とも増加する見通しです。現在、対応できる会員会がない県からの相談には、全国8ブロックの拠点会員会や近隣会の所属マンション管理士が対応しています。

日管連と会員会は毎月1回、相談ダイヤル連絡会議を開き、相談状況や参考事例、課題などについて情報を共有し、相談対応の一層の向上を図っています。

開設から半年で142件の相談

相談は、4月18日のダイヤル開設から10月17日までの半年間に142件ありました。相談内容の内訳(9月末現在)は表の通りです。相談者は、管理組合の役員や組合員がもっとも多く、続いてマンション管理会社の社員、日管連に所属しないマンション管理士、行政、分譲会社、マンション購入予定者の順となっています。

管理計画認定制度の認定申請は、新築マンションを対象とする予備認定が件数で先行しており、既存マンションからの管理計画の認定申請は、マンション管理適正化推進計画を作成済みの自治体が限られているため、まだそれほど多くありません。ただ今後、自治体による同計画作成が進むにつれ、増えていくと思われます。



政令指定都市20市が今年度中に計画策定の意向

管理計画認定制度の認定申請は、マンション管理適正化推進計画が作成された自治体の区域内で可能となります。国土交通省が今年2月、255自治体を対象に実施した同計画の作成意向調査によれば、政令指定都市(20市)の100%、中核市・特例市(66市)の52%、東京23区の65%、都道府県の53%が、今年度中に計画を作成する意向だと回答しています。

今年9月末現在では、41市区と17都府県(町村部を管轄)で同計画が作成され、マンション管理センターへの事前確認申請が可能となっています。さらに今年度中に約50、来年度には30以上の自治体が同計画を策定する予定です(国土交通省アンケートに対する回答)。

マンション管理適正化診断と併用できます

マンション管理計画の認定申込みは、日管連の「マンション管理適正化診断サービス」や(一社)マンション管理業協会の「マンション管理適正評価制度」と併せて行うことができます。

このうち、日管連の「マンション管理適正化診断サービス」と管理計画認定をワンストップで申し込むには、マンションが立地する地方公共団体が、マンション管理適正化推進計画を作成済みであり、管理組合が同制度の申請について総会承認を得ていることが要件となります。

適正化診断サービスは、研修受講などの条件を満たした「診断マンション管理士」が、マンションごとの管理状況を目視、書類確認、ヒアリングなどでチェックし、管理状況を点数で評価するもので、国内で初めてマンション管理状況確認と評価を点数で数値化した制度です。2015年7月に開始し、約7年後の2022年6月末には累計診断棟数が15,000棟を超えました。診断費用は無料※です。

※管理計画認定を併せて行う場合は、診断サービス終了後に、管理計画認定支援手続きサービスのシステム利用料10,000円と事前確認審査料(令和4年度は無料)が必要となります。

新築の予備認定は月50件近いペースで増加

新築マンションを対象とする管理計画案の認定(予備認定)は、分譲事業者と、マンション管理事務を受託予定の管理会社などが連名で、公益財団法人マンション管理センターに申請します。既存マンションの管理計画認定が、マンション管理適正化推進計画が作成されている地方公共団体の区域に限って申請できるのに対し、予備認定は全国すべての区域で申請が可能です。

予備認定を受けたマンション一覧は、マンション管理センターのホームページで閲覧できますが、今年4月の制度開始から7か月弱で318件(10月26日現在)と月50件近い認定ペースとなっています。

認定を受けた新築マンションは、住宅金融支援機構の「フラット35」の金利が当初5年間、年0.25%引き下げられます。