無料相談を月~土曜10~17時受付
一般社団法人日本マンション管理士会連合会(日管連)が令和4年4月から開設した「マンション管理計画認定制度の相談ダイヤル」(03-5801-0858)の相談受付は、令和5年4月から土曜日を追加し、月曜から土曜(祝日を除く)の午前10時から午後5時まで実施しています。平日にお仕事を持つマンション管理組合役員の方などが利用しやすいようにしたものです。
マンションの高経年化が進み、建物の老朽化や管理組合の担い手不足が懸念されています。そんな中、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)が改正され、令和4年4月から、マンション管理適正化推進計画を作成した自治体が、適切に管理されたマンションを認定する(いわば“お墨付き”を与える)制度が始まりました。
これにより、認定を受けたマンションが市場で評価されるなど、管理の適正化が推進されることが期待されます。また、改正されたマンション管理適正化法では、自治体の権限が強化され、自治体は指導、助言、勧告などの必要な措置を、法的根拠をもって能動的に実施できるようになりました。「マンション管理は新しい時代に入った」という声も聞かれます。
要件を満たせば固定資産税の減額措置も
管理計画認定制度の認定を受けると、住宅金融支援機構のマンションすまい・る債の金利上乗せ(令和6年度は通常0.50%のところ、0.55%に)や、マンション共用部分リフォーム融資や住宅ローン【フラット35】の借入金利引き下げなどのメリットがあります。
また、管理計画の認定を受けたマンションが大規模修繕工事を施行すると、そのマンションの区分所有者の固定資産税が最大2分の1減額される「マンション長寿命化促進税制」が令和5年度から6年度まで実施されています。詳細は、当相談ダイヤルでご説明しています。
どなたでも何回でも相談いただけます
相談ダイヤルでは、マンション管理計画認定制度をはじめ、改正マンション管理適正化法に関する幅広い質問・相談について、マンション管理の専門的知識を有するマンション管理士が回答します。相談は無料で、何回でも、どなたでもご利用いただけますが、1回あたりの相談時間は30分程度までとさせていただいています。
相談は東京の日管連事務局で受け付け、原則として、相談者の地元マンション管理士会の所属マンション管理士から相談者に折り返し電話をかける方式で実施しています。ただし、短時間で回答できる内容であり、相談者がその場での対応を希望する場合は日管連事務局が対応します。
1年間で2,000件超す相談
相談への対応は、全国46会員会の所属マンション管理士約1,800名のうち、①マンション管理センターが実施する管理計画認定制度の事前確認講習②日管連の認定マンション管理士研修③電話相談対応講習――の3つの講習・研修を修了し、万一のためマンション管理士賠償責任保険にも加入している約240名が担当しています。
今後、各講習・研修の修了者が追加されますので、対応できる会員会、マンション管理士とも増加する見通しです。現在、対応できる会員会がない県からの相談には、全国8ブロックの拠点会員会や近隣会の所属マンション管理士が対応しています。
相談は、ダイヤル開設の初年度は504件でしたが、2年目の令和5年度は2,042件と4倍に増えました。相談者は、管理会社社員と管理組合の役員・組合員がもっとも多く、行政が続いています。
相談内容の内訳(令和5年度)は、認定インセンティブ(長寿命化促進税制が中心)883件、認定基準497件、長計・積立金263件、申請手続263件、制度概要128件、申請手数料51件、認定フロー30件、自治体の独自基準15件、自治体の開始時期12件、予備認定5件の順でした。
全国ほとんどのマンションが認定申請可能に
管理計画認定制度の認定申請は、マンション管理適正化推進計画が作成された自治体の区域内で可能となります。国土交通省が令和5年12月末時点でまとめた同計画作成動向によれば、政令指定都市(20団体)の100%、特別区(23団体)の95.7%、中核市(61団体)の75.8%計画を作成済みで、令和5年度末には9割を超すマンションが認定制度の対象となり、令和7年4月には98.7%と、全国のほとんどのマンションが認定制度を利用できるようになる見通しです。
マンション管理センターの管理計画認定マンション閲覧サイトには令和6年6月15日現在、856件の認定マンションが掲載されています。
マンション管理適正化診断と併用できます
マンション管理計画の認定申込みは、日管連の「マンション管理適正化診断サービス」や(一社)マンション管理業協会の「マンション管理適正評価制度」と併せて行うことができます。
このうち、日管連の「マンション管理適正化診断サービス」と管理計画認定をワンストップで申し込むには、マンションが立地する地方公共団体が、マンション管理適正化推進計画を作成済みであり、管理組合が同制度の申請について総会承認を得ていることが要件となります。
適正化診断サービスは、研修受講などの条件を満たした「診断マンション管理士」が、マンションごとの管理状況を目視、書類確認、ヒアリングなどでチェックし、管理状況を点数で評価するもので、国内で初めてマンション管理状況確認と評価を点数で数値化した制度です。適正化診断を受けることにより、管理計画認定制度の認定基準をクリアできるかどうかがおおよそ判断できます。
適正化診断サービスは2015年7月に開始し、2024年4月末には累計診断棟数が20,000棟を超えました。診断費用は無料※です。
※管理計画認定を併せて行う場合は、診断サービス終了後に、管理計画認定支援手続きサービスのシステム利用料10,000円と事前確認審査料が必要となります。
新築の予備認定、2か月半で200件超す(令和6年度)
新築マンションを対象とする管理計画案の認定(予備認定)は、分譲事業者と、マンション管理事務を受託予定の管理会社などが連名で、公益財団法人マンション管理センターに申請します。既存マンションの管理計画認定が、マンション管理適正化推進計画が作成されている地方公共団体の区域に限って申請できるのに対し、予備認定は全国すべての区域で申請が可能です。
予備認定を取得したマンション一覧は、マンション管理センターのホームページで閲覧できますが、昨年4月の制度開始から2年2か月半で1,434件(令和6年6月15日現在)に達しており、令和6年度は2か月半で201件に上っています。
認定を受けた新築マンションの購入者は、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の金利が当初5年間、年0.25%引き下げられます。