設立趣意書

平成19年11月1日

平成13年8月、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が施行され、国家資格としてマンション管理士制度が創設された。
発足当初は、マンション管理組合や関係団体等から、マンション管理の専門家としてその発展に大きな期待を持って迎えられた。
全国の志のあるマンシション管理士は、それぞれの業務を通じてマンション管理の適正化を目指すと共に、更なる管理組合のニ-ズに適合するため、各々自己研鑽に励み、情報交換を行い、機能の強化に懸命に取り組んできた。

しかし、制度が発足して6年余が経過した現在においても、マンション管理士の「業」としての途は、依然として厳しい環境にあり、また、マンション管理士制度そのものの社会的認知度も今ひとつの状況にあると言わざるを得ない。

一方、最近の動きを見ると、平成18年6月には住生活基本法が施行され、住宅政策はフロー重視からストック重視へと大きく転換した。
また、平成19年5月に提言された「200年住宅ビジョン」の中には、われわれマンション管理士の重大関心事である「新たな管理方式」をはじめ、国土交通省が来年度に事業化を目指している「住宅履歴書」等の提言も含まれており、マンション管理士を取り巻く環境は更に重要な局面を迎えている。

われわれはマンション管理士の立場からこれらの施策について、あるいはマンション管理士が担うべき役割について、強く主張していかなければならない。
そのためには、現在、二つに分かれているマンション管理士の全国組織を早急に一本化し、全てのマンション管理士が一体となってこの局面に対処することが、マンション管理士制度をより広く社会的に認知させ、その立場を強化させるために絶対に必要である。
そのことは、法律が目指しているマンション管理の適正化に貢献することになることはもとより、それは我々マンション管理士の使命であり、社会的要請でもあると確信している。
このマンション管理士の全国組織の一本化は、関係各方面からも強く期待されているところである。

そこで、かねてより日本マンション管理士団体連合会と全国都道府県マンション管理士会協議会は、かかる状況を真剣に受け止め、小異を捨てて大同につく観点から、鋭意話し合いをすすめてきた。その結果、お互いの組織を発展的に解消して、新たに一つの全国組織、即ち「日本マンション管理士会連合会」を設立することとなった。この新組織に参加する各単位士会の存立及び考え方を尊重するという理念に立脚しつつ、各士会が相互に協調の精神に基づいて地方公共団体等との連携においても各士会間で相互に協力するよう努めることで一致した。

全国の全てのマンション管理士会がこの旗のもとに糾合することを切に期待している。